アーティスト・坂本和弥さんが来校!歌い手・Vシンガー志望のメンバーに、ボーカル&ダンスレッスンを実施!
「今日は、人気曲を使って、歌と振り付けに挑戦します!まず、ボイストレーニングから。腹式呼吸をやってみましょう。床に寝転がってみてください」と話すのは、アーティスト・坂本和弥さん。

今回は、6月中旬に実施された特別授業「ボーカル&ダンスレッスン」をレポートします!
【1. 「腹式呼吸」を意識!】
仰向けに寝転がり「おやすみなさ〜い」と言う在校生(以下メンバーと表記)。

坂本講師「まずは、おへその指3本下あたりにある『丹田(たんでん)』を意識して呼吸しましょう。息を吸って……吐いて。もう寝てる人いるでしょ!?(笑)」
メンバーから笑いが起きます。
坂本講師「吸ったときお腹はどうなった?」
メンバー「膨らみました」
別のメンバー「へこみました」
坂本講師「通常は、膨らみます。へこむのは、“ドイツ式”呼吸法と言います。無意識になっている人もいるみたいですね。今日は知識として、覚えておいてください」
また、立っての腹式呼吸も試します。

重力により、内臓が下がるため肩が上がりやすいので、肩は上げずに支える意識を持つことが大切。これが歌うときの楽な姿勢にもつながります。

坂本講師「もう一回やります!吸うとき肩が上がるのは胸式呼吸で浅くなりがちです。喉を締めやすいから注意します」
横からお腹の膨らみを見せながら説明します。
坂本講師「ボイストレーニングは、めっちゃシュールだと思っています。踊ったり、体を動かしたりして、アドレナリンが出て『楽しい!』ってなりますが、要は自分との向き合い方です。一人ひとり、内臓や筋肉の付き方も違います。自分の体を楽器だと考えたとき、自分自身にしか最適な弾き方はわかりません」と説明します。

呼吸の仕組み(肺・横隔膜の動き)を説明し、再度「吸って吐く」を練習。
坂本講師「次は、細い筒から息を吸って吐くイメージで。苦しくても息は体に残っているから、全部出し切りましょう!静かで地味だけれど、重要です」
【2. ポイントは、「腹式呼吸、軟口蓋を意識する、口角を上げる」】
腹式呼吸について理解を深めたら、声を出していきます。声の“共鳴”を意識し、軟口蓋(なんこうがい:口の天井の柔らかい部分)に「声」と「息」を当てることを意識します。

坂本講師「腹式呼吸と軟口蓋に声と息を当てるようにして、女性は低めの“ラ”、男性は中央の“ララララ〜”で練習します!」
メンバー「ラ〜」

音を徐々に上げながら繰り返します。口角を上げることを意識します。次に、「イー」と前歯を出しながら発音し、響きの変化を体感します。
坂本講師「“ア”は口を開けにくいけれど、しっかりと開けて。声を50メートル先に飛ばすイメージで!」
メンバー「あー?」
坂本講師「なんだか、ケンカ売られてるみたい(笑)」
下あごは落ちやすいので、上あごを持ち上げる意識を促し、口笛を吹くつもりで動きをチェック。高音は、原曲キー+3キーまでチャレンジしました!
坂本講師「腹式呼吸、軟口蓋を意識する、口角を上げる。まずは、この3つを常に意識していきましょうね!」

坂本講師「いま、皆さんの息が、スーって抜けている音が結構、聞こえてきています。いわゆる息の量が多い声のことを「ウィスパーボイス」と言います。これはひとつのテクニックで、『さよならエレジー』の最初の『♪ぼくはいま、無口な空に』は、まさにウィスパーボイス。ただ、マイクにしっかりと音を乗せたり、高音をクリアに出したりするためには、息を出しすぎないことも大事。息が多すぎると声帯に負担がかかって、喉が枯れやすくなります」と解説。また、地声、裏声、地声と裏声の中間に位置する「ミックスボイス」と、3種類の発声にもトライ!

メンバー「あ゛〜!」
メンバー「ゾンビみたい(笑)」
坂本講師「そうそう!ゾンビが『あ゛~』と言ったりするじゃない?あれがエッジボイスになります。なので、声帯をめちゃくちゃ使っていますよ、摩擦してますよ~っていうのが、エッジボイスや、地声になります!」
こまめに休憩をとり、喉を休めながら、「原曲キー」と「+3キー」で分かれて歌うことにもチャレンジしました!

また、歌声を安定させるポイントは「母音です。母音が弱くなると、声が揺れちゃいます。なので、母音でしっかりと安定させることが大切です!」と解説。

【3. 大盛り上がりのダンスレッスン!】
続いては、ダンスブースへと移動。鏡の前で、足のステップを練習します。
坂本講師「まずは、右足を前に出す練習をします!次にサイドステップ、ボックスステップを段階的に挑戦していきます」
思わず笑顔になるメンバーたち。

坂本講師「イントロさえ乗り越えれば、簡単!最後は4歩で回るだけ。音源は激速です(笑)!」
メンバー「うわ〜」「思ったより速い(汗)」
音源に合わせて、手の動きも加え、何度か通しで練習!
坂本講師「Aメロは自由に歌いながら、振り付けを合わせて1コーラス通しましょう!」
「原曲キー」のグループも同様に練習し、メンバーからは「ムズッ!」「速い」との声があがりました。最後に「原曲キー」「+3キー」のグループに分かれて、歌とダンスを披露!
坂本講師「3時間のレッスンの集大成です。間違えても大丈夫!やってきたことを思いっきり出して」

「イエーイ!」「バイブス上げてこ〜!」と、お互いのチームを応援しながら、大盛り上がりのパフォーマンスとなりました。


最後に……

坂本講師「今日は3時間、本当によく動きました!ストレッチで普段使わない筋肉をほぐし、ボイストレーニングから歌へとつなげていく流れは、マイク前での声の出し方にもつながります。体を動かしたので、最後の発表では、最初よりもずっと声が出ていました!各チームに与えられた練習時間は15分だけでしたが、短時間でもしっかり仕上げていたのは見事でした。間違えても次の動きをちゃんとやろうとする姿勢が伝わってきて、本当に素晴らしかったです。これは“ファン心理”ですが、ステージで自信なさげに小さく動いていると、応援しにくいもの。でも、今日の皆さんのように、間違えても一生懸命にやっている姿は、自然と声援を送りたくなります!もがきながらも全力でパフォーマンスする人は美しいです!今日はかなり体を使ったと思うので、必ずマッサージしてください。明日は筋肉痛かもしれませんが、体調管理もしっかりとしてください。ありがとうございました!」と締めくくりました。

メンバーの最高の笑顔が、レッスンの楽しさを物語っています。

【PROFILE】
2007年、SONY MUSICより一卵性双子のユニット「ON/OFF」としてメジャーデビュー。アニメ『デュラララ!!』、『べるぜバブ』、『ヴァンパイア騎士』、ドラマ『風魔の小次郎』などのオープニングテーマとエンディングテーマ曲を務めた。また俳優としてもドラマやラジオパーソナリティー、舞台などに多数出演。現在はソロ活動に専念している。単独LIVE、毎年夏にはドイツのイベントに出演するなど、活動の幅を海外にも広げており、精力的に音楽活動を行っている。