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「音の向こうに、常に人がいる」。☆Taku Takahashi (m-flo, block.fm)さんに学ぶ、 音楽を仕事にするための3つのアプローチとは

2026/10/21 (WED)

「音楽を仕事にしたい」、そう思ったとき、何から始めればいいのでしょうか?

m-floのトラックメーカーとして「come again」を生み、BE:FIRST「Shining One」などの制作にも携わってきた、日本を代表するDJ、プロデューサー、トラックメーカー☆Taku Takahashi (m-flo, block.fm)さん。メンバーが応募できるオーディション「覚醒前夜」の導入授業では、「音楽を楽しみ、そして食っていかなくてはいけない。少しでもお手伝いしたいんだ。では、僕に質問がある人?」という言葉からスタート。メンバー同士のコミュニケーションをうながし、双方向の講義となりました。01作品の発信の仕方、02プロデュースのアプローチ、03コライトの3つのテーマで語られた2時間を追います。

1.発信することで、自分の音楽を見つけてもらう

☆Taku Takahashiさん「発信は、契約したら始めるものじゃない。バンタンミュージックアカデミーに入る前から、自分の作品の発信は意識していかなきゃいけないことです。作品がまだ完成してないから、ダサいって言われるかなとか気にしちゃうじゃん?俺もありますよ。でもだからこそ、『自分はトラックメーカーです』と伝えていくことで、チャンスが広がっていきます」

例に挙げたのは、m-flo loves Maya「HyperNova」。

☆Taku Takahashiさん「MayaちゃんがTikTokにあげた動画が、Xで流れてきたんです。寮でギターを弾き語りしていて、Mayaちゃんの発信したい気持ちが出ていました。それを、たまたま僕が見つけて、VERBALと『この子いいよね』とフォローして声をかけました。こういうことが起こりうるんです。出したら絶対にいいことが起こるという保証はありません。だけど、出さないと何も起こらないんです」

2.会って話すことで、お互いの音楽や人柄を知る

☆Taku Takahashiさんは「大事なのはやっぱり会うことなんだよね」と話します。約30年前、クラブでできた友達と一緒にトラックを作り、ネットのチャットでも音楽仲間とつながっていきました。

☆Taku Takahashiさん「今も、その当時ネットで出会った音楽仲間、クラブで出会った人と一緒に仕事をしたりします。実は、音楽のスクールに行くのって意味あるのって、ずっと考えるときがあったんだ。Ableton Liveの使い方も、映像だったらPremiereやDaVinciの使い方も、全部YouTubeに上がっている。でも、違うんだよ。バンタンミュージックアカデミーには同じ志を持ったクリエイターたちが集まっているでしょう?そういった人たちとのネットワークっていうのは、すごく大きな財産なんです」

3.誰に、何を、どう届けるか

続いては、デモの送り方について。デモを送る際のメッセージの例文を見せ、なぜ心が動かされないのか?をメンバー同士で3分間話し合いました。「どんな曲か触れていない」「なぜこの人に送ったのかが書かれていない」といった意見があがりました。

☆Taku Takahashiさん「そう、送られる側も人間なんだよね。文章をコピペで送ったら、スパムメールと変わらなくなっちゃう。“その人”に送っていることが、伝わらなきゃいけないんです。相手の読む時間と、聴く時間を考えて」

4.プロデュースは「問診と処方箋」

2つ目のテーマ「プロデュースのアプローチ」について、☆Taku Takahashiさんは「問診と処方箋」にたとえます。

☆Taku Takahashiさん「処方っていうのは、こういう方法がありますよ、と提案すること。しかも、処方箋は自分の個性で出すものなんです。問診して、欲しいと言われたものをそのまま全部返しちゃうと、それはもう下請け業者になっちゃう。自分を出さないと、相手が自分を呼んだ意味がなくなっちゃうんだよね。そして、いちばん大事なのは先に処方しないこと!相手の悩みを聞いて、自分が思っている処方箋の病状を、相手に言わせることです」

相手によって聞き方を変えながら、「共通言語」を探します。

☆Taku Takahashiさん「たとえば、VERBALと同じ曲を聴いても、彼には“愉快”に、僕には“軽快”に聞こえる。聴いているサウンドは一緒なのに、ランゲージが違うんだよね。クライアントの中にも、音楽のリテラシーが高い人もいれば、そうでない人もいる。だからこそ、相手との共通言語がわかると、処方箋をどのように伝えれば理解されるかが見えてきます」

5.コライトで見つけた自分の強み

3つ目のテーマ「コライト」(Co-write)とは、複数のクリエイターが協力して1つの楽曲を共同制作すること。☆Taku Takahashiさんは「作品についてけんかしたこともあるし、個性が尖っているほど1曲にまとめるのが難しい場合もあります。俺の場合、みんなのが全部良く聞こえちゃうからコライトに向かない?と思っていたんです。そんなとき、MONDO GROSSOの大沢伸一さんに『構成力がいい』と評価されて、自分らしさを見いだしました」

また、大事なお金の分配については、最初から均等に分ける方法と、貢献に応じて分ける方法があります。

☆Taku Takahashiさん「正解はないし、やってみないとわからないから飛び込みましょう。みんなが納得するやり方を、セッションが始まる前に決めちゃうのがいちばんいいです」とアドバイス。

6.失敗をし、成功事例を探す主体性を

ラストでは、冒頭で募集した質問に一つひとつ答えていきます。

――音楽を仕事にしようと思ったきっかけは。

☆Taku Takahashiさん「中学生でDJを知って、俺もやりたいって思ったんです。高校生で、VERBALとバンドを始めて、ロサンゼルスの大学へ進学。そこで音楽を作り始めました。当時、日本に彼女がいたんですがどうしても会いたくて。音楽には好意的な親だったので、『大学を休学して、音楽を日本でやります』と言って帰国しました。その彼女の存在がなかったら、m-floは始まっていなかったかもしれないですね」

――今までぶつかったいちばん大きな壁は。

☆Taku Takahashiさん「常に壁があるのがデフォルトなので、超えることにしか集中していないんです。曲作りは常に難しいです」

――これから音楽業界を目指す人にとって、大事なことは?

☆Taku Takahashiさん「今までのノウハウやロールモデルが通用しないかもしれません。そんな時代に大事なのは、君たちが失敗をして、自ら成功事例を探していく主体性です。受け身にならず、失敗してください。そして自分がワクワクするものを見つけてください」

講義のおさらいは、「作品(デモも)を送った先には、聴く人がいる」「プロデュースする相手には、まだうまく言葉にできていない悩みがある」「一緒に作る人は、自分でも知らなかった強みに気づかせてくれる」「一人ひとりに、その人なりの考えと感覚がある」。そして「音の向こうに、常に人がいること。ぜひ覚えておいてください」と語りかけました。

授業が終わっても☆Taku Takahashiさんの周りをメンバーたちが囲み、質問は30分近く続きました。

 

【PROFILE】

☆Taku Takahashiさん

DJ、プロデューサー、トラックメーカー。1998年にVERBAL、LISAとm-floを結成。2011年に日本初のダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」を立ち上げる。BE:FIRST「Shining One」、JI BLUE「景色」(作詞・作曲・編曲)、宇多田ヒカル「traveling (Re-Recording)」など、国内外のアーティストのプロデュースやリミックスを手がけるほか、アニメ「Panty & Stocking with Garterbelt」、ドラマ・映画「信長協奏曲」などの劇伴も担当。2026年10月31日に幕張メッセで開催される「NIGHT HIKE 2026 in 幕張」に出演予定。

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【公式サイト・SNS】

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